患者様へ

金属アレルギーの全身への影響

 金属アレルギーによる皮膚や粘膜の病変には、直接触れる部位に起こる接触性皮膚炎の他に、接触していない部位に起こる全身性接触皮膚炎があります。
 全身性接触皮膚炎とは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を口や気道、血液から摂取することで生じる病変で、原因としては、食品に含まれている微小な金属の成分や、お口の中の歯科金属によるものなどが、あげられています。

 他の物質によるアレルギー疾患と同様に、接触していない部分の皮膚、肺や腎臓にも、影響が及ぶ可能性があります。腎炎、喘息・過敏性肺炎、偽アトピー性皮膚炎、汎発性湿疹、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、水銀皮膚炎などが、知られています。

 

※歯科における水銀の使用について
 かつて、虫歯治療の詰め物(充填物)などに、ごく一般的に使用されていた「アマルガム」いう物質は、高濃度の水銀が含まれている、人体にとって危険な物質です。奥歯に黒ずんだ銀色の治療物がある場合、それはほぼ間違いなく、アマルガムでしょう。見かけが銀色のため、いわゆる「銀歯」と勘違いされている方も、かなり多くいらっしゃいます。アマルガムから溶け出た水銀による、全身への毒性が、近年、問題視されています。