患者様へ

アレルギーを起こすのは、金属ではなく金属イオン!お口の中はイオン化しやすい環境です!!

 金属アレルギーは、金属との接触から起こるわけですが、実は金属そのものは、人体に対して無害と言われています。
 金属がイオン化し、溶け出すことではじめて、アレルギー反応を引き起す原因となるのです。
 金属のイオン化したものが、皮膚(表皮~粘膜上皮)の蛋白に結合して、本来、体がもっていない表皮構造の蛋白ができあがると、免疫がこれを異物とみなして、拒絶反応を起こします。

 金属がイオン化して溶け出すことを、金属の溶出といいますが、金属の種類によって、溶出しやすいものと、しにくいものとがあります。そのため、金属にはアレルギーを起こしやすいものと、そうでないものとが存在しています。

 

 お口の中の金属は、唾液や食べ物などが電解質として作用することで、腐食性変化を生じ、溶出されます。また、口腔内にはそれ以外にも、各種の溶出要因が共存しています。
 歯肉から浸出する体液、食べカスによる電解質の存在。細菌が産出する酸や硫化水素。温度や、酸素の濃淡などの変化。咬む力が働く部分の金属に起こる応力腐食や咬耗など、口腔内は、さまざまな要因が複雑にからみあった、金属にとって極めて過酷な溶出がおこりやすい環境なのです。
 普通の状態では、丈夫で変化しにくい鉄が、雨にさらされると、容易に腐食するように、金属は環境の影響を受けやすいものです。

 

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