診療方針

大変申し訳ありません。 ただいまメンテナンス中です。

治療の流れ

1.カウンセリング

患者さんの話を聴くことに重点を置いています。
まずは、カウンセリングを通して、歯を失った状況や、インプラントでどういった回復を 望んでいるのかを十分患者さんからお聞きします。
あなたの理想をお聞かせください。
そしてインプラント治療についてじっくり相談しましょう。
治療の主役は、あなたです。
現在の状況の把握や患者様の疑問など、どんなささいな事でも回答させていただいております。 まずは納得のいく説明や不安解消に時間をしっかりかけることが南九州インプラントセンターでは最も重要だと考えております。 お気軽にご相談ください。
また、インプラント治療はどのようなものなのか、どういう流れで治療が進んでいくのかを説明し、患者さんのインプラント治療に対する理解を深めます。 現在のお口の状態、お悩み、ご希望などをお聞かせください。

2.診査・診断

お口の中の検査をし、インプラントを埋め込む顎の骨の量や質、形を診査するため、お口の中の型を取り、レントゲン写真、口腔内写真を撮ります。
骨の状態や治療内容によってはCTスキャンといって顎の骨の断層撮影を行う場合もあります。
CTスキャンがあることで、骨の3次元的なサイズがわかり、インプラント手術に有益な情報をたくさん得ることができ、 より正確にインプラントを植立することが可能になります。
パノラマ画像(平面的なレントゲン写真)で十分骨があるように見えても、CTでみると全然使える骨がなかった、 ということも日常茶飯事です。非常に恐ろしいことです。さらに、血管、神経、上顎洞等の解剖学的制約がしっかり見え、安全なインプラント治療が可能になります。
また、南九州インプラントセンターでは歯科専用のCT設備(3DXマルチイメージマイクロCT)を備えていますので、他の病院にわざわざ出向く必要はありません。
さらに、SimPlantおよびNobelGuideといったシミュレーションソフトを用い、CTの3D画像上で、実際にインプラントを入れるためのシミュレーションを行います。
インプラントの長さ、太さ、形状、十分骨があるかどうか、インプラントの配置、等がよくわかり、より確実な手術が可能になります。このソフト上のデータから、外科ガイドをつくることも可能です。
そうすると、手術時間が飛躍的に短くなり、かつ安全確実な手術になります。術後の治癒もますます良好になります。
この診査した結果によって,あなたにインプラント治療が適しているかどうか?判断して詳しくご説明します。

3.治療計画立案

適切な治療計画は、インプラント成功の必須条件といえます。
模型、レントゲン写真、CTの3D画像などによって得られる様々な情報をもとに、あらゆる事態を想定して、いくつかの治療計画を立案します。
このプランは決して、私たちからの押し付けではありません。複数の治療方針からあなたの望む治療方針を一緒に考えましょう。歯にかかってくる力の強さ、 患者様にとって無理のない衛生管理の方法なども含め、患者様の希望を加味して総合的に診断していき、“あなたのための治療プラン”を提案いたします。 インプラントの本数、治療にかかる期間、費用、痛み等についても詳しく説明します。
説明は、カウンセリングルームで専門のスタッフがパソコンの動画などを使用してわかりやすく説明します。 インフォームドコンセント(十分な説明と理解)が十分に行われてから治療を開始します。

4.インプラント前処置

インプラント治療を開始するにあたって、まずお口の中の環境を整えます。
これは非常に大切な処置でインプラント手術の成功のキーポイントになります。具体的には抜歯、歯周治療、虫歯の治療、仮歯の作成などがこれにあたります。
歯周病の原因となる虫歯や、歯槽骨にダメージを与えるような歯周病にかかっている場合は、手術の前に治療しておきます。
インプラント体を埋入した部分の骨が歯周病に感染し、せっかくのインプラント体が 抜け落ちてしまう危険があるからです。
診査・診断の結果、インプラント体を埋入する部分の歯槽骨が不足している場合は、 再生治療を事前に行います。 (骨の再生治療についての詳細はこちら)

5.インプラント埋入手術

手術は局所麻酔で行いますが、患者の希望があれば笑気麻酔、静脈内鎮静法という麻酔を行う場合もあります。
原則的に入院の必要はありません。全身疾患のある患者の場合は、麻酔医がモニタリング (心電図・血圧の管理)によって、より安全に手術をサポートします。 歯肉を切開し、インプラント体(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込み、歯肉を縫合して終了します。(手術方法の詳細はこちら)
手術時間は埋入する本数により異なりますが、1本なら30分前後、8本程度入れる場合は2~2.5時間くらいです。
麻酔が効いているので手術中に痛みを感じることはほとんどありません。手術後は歯肉や頬が腫れることがありますが一週間ほどで元に戻ります。 痛みについても個人差はありますが、翌日以降はほとんど生じません。 通常の抜歯と同じように化膿止め、腫れ止め、痛み止めの薬を出しますが、抜歯に比べて痛みが少なかったという患者さんがほとんどで、「痛み止めは飲まなかった」と言う患者さんもいらっしゃる様に、強い痛みはほとんどありません。

6.治癒期間

残っている歯の状態にもよりますが、抜糸までの術後1~2週間は、通常、軟らかめの食事をとることになります。それまでの間、傷口の消毒のために通院していただきます。
個人差がありますが、2~6ヶ月の治癒期間(安静期間)をおくことで、インプラントと骨が強い力で結合(オッセオインテグレイション)するのを待ちます。
この期間は必要に応じて仮歯を入れる場合がありますが、食事や歯磨きは不用意な衝撃を与えないように、十分な注意が必要です。
また、喫煙は毛細血管を収縮させ、血流を悪くするため、手術創部の治癒を妨げるため、禁煙をするほうがいいでしょう。
一般的には骨の質・量とも有利な下顎で2~3ヶ月程度、上顎で4~6ヶ月程度が治癒期間になります。

7.上部構造の装着

上顎で術後4ヶ月~6ヶ月、下顎で術後2ヶ月~3ヶ月ほどで、インプラントと顎骨が結合(オステオインテグレーション)します。
南九州インプラントセンターではオステル(共振周波数分析器)という装置を用いてインプラント(フィクスチャー)の安定と骨の質を測定します。 その結果から、結合状態が安定していることが確認できたら、上部構造を装着する第2次治療に移ります。
2回法では、ライトタッチレーザーでフィクスチャーの真上の歯肉のみを切開し、埋め込んでいたフィクスチャーを露出させ、アバットメント(支台)を装着しその上にヒーリングキャップを装着して歯肉の治癒を待ちます。
上部構造(のかぶせ物)の型取りをし、アバットメントの装着された口腔内の模型を作製します。
次に上下顎のかみ合わせの位置取りを行い、上下の顎の関係、かみ合わせを含めて口腔内の状態を出来るだけ精密に再現し、上部構造を設計します。
上部構造が完成するまでの間は、仮の歯を装着し、インプラントに少しずつ咬む力を負担させていくリハビリ期間を設けます。仮の歯でかみ合わせの調整や歯肉との調和をとりながら時間をかけて、きれいな最終的な上部構造を完成させていきます。
完成したら実際に装着して、1週間ほど試用し、違和感がないか、かみ合わせに障害がないかなどを確認します。これで問題がなく、また患者さん自身が歯の形、大きさ、角度など納得出来たら、最終的に上部構造をアバットメントにセメントまたはネジで固定します。

8.メンテナンス

インプラントは、天然の歯と違い虫歯になることはありません。しかし、歯周病のような状態にはなります。インプラントが歯周病のような状態になったことを『インプラント周囲炎』と言います。
歯ブラシがうまくいかないと、汚れ(食べかす)はインプラントと歯肉の境目に付着します。この汚れ(プラーク)の内部には、細菌(歯周病細菌)がひそんでおり、その汚れは、時間の経過とともにどんどん深く(歯肉の内部に)侵入していきます。 そして、歯肉の中で歯周病細菌が繁殖を起こします。
その結果、インプラント周囲の歯肉が腫れ、さらに進行してくると インプラントを支えている骨が吸収をしてきます。そのため、インプラントをしたからといって、歯ブラシをしなければダメになる可能性もあります。 また、歯ブラシは毎日きちんとしているつもりでも 100%行うことは難しいことです。そのため、定期的に歯科医院で検査をし、歯石等の除去を行う必要性があります。
次に、インプラントの被せ物についても定期的な注意が必要です。 インプラントの被せ物も天然歯も長い年月の間には個人差はありますが、必ず磨り減ります。 例えば、靴のかかとも人により、内側が減ったり、外側が減ったりします。 口腔内も右で良く噛む人、左で良く噛む人、歯ぎしりが強い人等さまざまな条件により磨り減り方(磨り減る量)は違いますが、多少なりとも磨り減ります。
ここで、天然歯とインプラントの違いにより問題が起ってきます。天然歯の歯根(骨の中に埋まっている根の部分のこと)の周りには歯根膜と呼ばれる非常に薄い膜が存在します。 これは、噛んだ時に歯を傷つけないようにクッションのような働きをします。つまり、天然歯は噛むと上下に沈みこんだり、左右に動いたりします。
それに対し、インプラントはこのクッションがないために、噛んでもまったく動きません。 こうしたことから、インプラントの被せ物を装着する際には、高さは天然歯よりも若干低く調整します。(200ミクロン程度)
もし、インプラントの被せ物を天然歯と同じ高さにしてしまうと、噛みこんだ時にインプラントのみに当たってしまうことになります。(天然歯は歯根膜の分だけ沈みこむためです)
しかし、最初に調整した状態は、ずっと続くわけではありません。先程説明したように被せ物は、必ず磨り減るからです。 磨り減り方によっては、大きく被せ物を修正しなければならないことがでてきます。
インプラントを入れたら、なにもしなくても大丈夫ということではなく、良い状態を維持するためには定期管理が必要なのです。
定期検査の間隔は、個人により違います。 もともと、歯周病が重度であったり、プラークコントロール(歯ブラシの程度)、歯軋りや噛み合わせに問題がある場合には、1~3ヶ月程度の間隔で来院していただくことがあります。 大きな問題がない方でも6ヶ月に1回はメインテナンスにいらしていただければ理想的かと思います。少なくとも1年に1回のメインテナンスは必要です。
口腔内は過酷な条件です。毎日何千回と噛み、汚れも付着します。 そうした状態を、何十年にもわたり維持するためには、やはり定期管理が必要なのです。
特に、インプラントをされる方は、歯を失っているわけですから、今までと同じような状況ではまた問題が起ることも考えられます。 ご自宅でできることと(ブラッシング)、病院で管理しなければならないことがあります。インプラントを行ったら、なにもしないで良い状態がずっと続くわけではありません。 メインテナンスは重要なことなのです。