患者様へ
本当のむし歯の治療とは?
むし歯は、歯周病と同様、慢性の生活習慣病ではありますが、細菌なしでは起こらない感染症(バイオフィルム感染症)です。
しかも、むし歯や歯周病はいくつかの要因が重なって発症し、進行していくという過程もかなり解明されてきています。
悪くなってからのリハビリではなく、病気の発症と進行をコントロールすることが十分に可能な時代になってきたと言えます。
1950年代に、スウェーデンで始まり発展してきた「むし歯学(カリオロジー)」という学問では、”むし歯が発症する前に原因を改善し、発症をコントロールする”ことをむし歯の治療と呼んでいます。
むし歯は、口腔内のむし歯菌が私たちの食べた食物をエサにして強い酸を出し、その酸によって歯が溶けてしまう病気です。
むし歯になる条件には、口腔内の細菌の種類・数、唾液の量・性質、歯の質、食生活習慣など様々な因子が関わっています。どれも決定的な原因ではありませんが、一つ一つが大きな危険(リスク)因子です。
すなわち、本当のむし歯治療とは、「自分のむし歯になりやすい弱点=リスクを知って、そのリスクをコントロールすること」と言えるでしょう。
原因を改善すれば、かかり始めのむし歯は自然に治り、小さなむし歯は進行が止まります。
大きな穴のあいたむし歯さえ進行を止めることができますし、処置後の再発も防ぐことができるのです。